入試改革が大きく進んだ近年、大学入試が変わったというニュースや話をよく耳にするようになりました。
しかしながら、具体的に変わった項目を確認したところで、本当に知っておくべき情報は何かが見えづらいように思います。
そこで、共通テストが始まった3年間に現れた、最近の大学入試の知っておくべき変化をご紹介します。
第1位 模試における私大の合格率判定は当てにならない
受験生とその保護者様が知っておきたい事 第1位は、「模試における私大の合格率判定は当てにならない」です。
センター試験から共通テストへ移行したことで、模試の難易度が上がって平均点が下がったという内容を別の記事で紹介しました。この模試の難易度の上昇によって、模試に思わぬ副作用が生じているのです。
それは、「共通テスト模試では、私立大学入試での力が測れない」という極めて危険な事実です。多くの受験生や保護者様、学校の先生方でさえ模試の合格率判定を当てにして志望校を検討します。しかし、その判定結果の信頼性を疑う方は少ないように思います。
是非一度、共通テスト模試と私立大学の入試問題を比較してみてください。確かに記号式・マーク式という解答形式は同じです。しかしながら、その問題の内容の構成は大きく異なります。何よりも、問題が作られているコンセプトが異なっているのです。詳細に述べると長くなりますので、簡潔に列挙します。
共通テスト模試の特徴
①共通テストに似せた大問数・問題構成
②「思考力・判断力・表現力」を測る設問設計(知識問題の割合は少なめ)
③全受験生を想定した難易度設定
私立大学の入試問題の特徴
①各大学・学部学科・日程によって問題構成は多種多様
②知識や経験で対応できる問題が中心(思考力を問う設問は限定的)
③各大学の受験生を想定した難易度設定
上記に挙げた特徴を比較するだけでも、共通テスト模試で私大入試における力を測ることがいかに困難かを想像できると思います。センター試験の時代は、模試でも知識問題が多く含まれており、ある程度の学力の指標として模試が活用できていました。しかし、「思考力・判断力・表現力」に重点を置いた共通テストの模試は、知識だけでは解けない問題を中心に構成されています。一方で、私立大学の入試問題は依然として知識重視の問題構成から変化していないのです。
インターネットで「私大専願者 共通テスト離れ」と検索をしてみてください。私大専願の受験生が、共通テストの受験を諦めたり、共通テスト向けの勉強をしないという選択を取り始めているというニュースが出てきます。こうした話がニュースになるようなことは、センター試験時代には全くありませんでした。それほど共通テストの内容が、私立大学入試とは大きくかけ離れているのです。
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